英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

TSMC 熊本工場とアリゾナ工場の対照的な状況

The Economist の 2 月 24 日号から TSMC の日米で稼働予定の新工場についての記事が載っていましたのでご紹介します。 www.economist.com 曰く、TSMC のチップ製造工場は日本の熊本県と米国のアリゾナ州で稼働予定ですが、双方の進捗具合には大きな差がある…

日本人男性のアイデンティティ危機

The Economist 誌の 2 月 24 日号に日本人男性全般についての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、近年日本においても女性の待遇・処遇の改善が見られるが、その結果女性の労働者増加並びに婚姻率の低下を招く一方で、社会的・文化的変容のペース…

トランプ前大統領再選シナリオにおける NATO

2月17日号の The Economist 誌社説から、欧州各国に対して NATO からアメリカが撤退したシナリオも見据えた再軍備を促す記事を紹介します。 www.economist.com 同誌はアメリカの NATO 撤退を補うものは何もないとしつつも、欧州各国の迅速な再軍備が持つ 3 …

なぜイランは脅しに屈しないのか

2月10日の The Economist 誌からイラン関連の記事を紹介します。 www.economist.com 曰く、イランが米国の脅しに屈しない理由を中東各国に点在するプロキシ勢力に加えてロシアと中国のサポートによるものとしています。 イラク戦争によって疲弊していた 1988…

立憲民主党党首インタビュー

2月10日号の The Economist 誌には立憲民主党の泉党首のインタビューが載っていました。 www.economist.com The Economist 誌で日本の野党党首のインタビューが単独記事となるのは珍しい気もしましたが、曰く、自民党が政治とカネの問題で性懲りもなく叩かれ…

世論調査の正確性

The Economist 誌の 2 月 10 日号に興味深い記事が載っていました。www.economist.com 曰く、米大統領選の世論調査の結果はトランプ前大統領優位と出ているが、世論調査の正確性を考慮すると両者にそれほど差はない、とのこと。 私個人的にも、各種報道から…

共和党はプーチンをサポートしているのか?

The Economist 誌の 2 月 10 日号の社説は少し刺激的でした。www.economist.com 曰く、ウクライナへの支援と南部国境警護問題(移民対策問題)のパッケージ案が否決されたことを受けて、共和党は政争に従事するあまりロシアを助ける事になっているとのこと。…

戦場のドローン

The Economist 誌の 2 月 10 日に戦場でのドローンついての社説が載っていました。 www.economist.com 曰く、ウクライナの戦地では、比較的廉価で入手可能なドローンによる攻撃によって、伝統的な戦場の武器(戦車やミサイル)が破壊されるケースも増え始め…

スターリンクと地政学リスク

The Economist 誌の 2 月 3 日号からインターネット地政学に潜在的な影響をもたらすスターリンクについての記事が載っています。 www.economist.com 曰く、イーロン・マスクが経営するスターリンクのような低軌道衛星によるインターネットアクセスは海底ケー…

岸田政権状況

The Economist の 2 月 3 日号に日本の政治状況についての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、自民党の数十年ぶりの政治とカネ問題によって岸田首相は歴史的な不支持率(毎日新聞の79%を引用)に直面するも、野党が相変わらず足並みが揃えられ…

世界5カ国目の月面着陸達成

1月27日号の The Economist 誌に日本の月面着陸について書かれていました。 www.economist.com 曰く、日本の月面着陸成功は世界五カ国目の偉業であり、SLIM (Smart Lander for Investing Moon) と呼ばれる宇宙探査機の技術的な成功のデモンストレーションか…

日本の既婚女性の社会復帰

The Economist 誌の1月20日号から日本の既婚女性の労働環境についての記事を紹介します。 www.economist.com 曰く、日本の既婚女性の労働参加状況は改善の一途を辿っており、2022 年には 25-39 歳の 80% が就業している状況のようです。 しかし、同誌は、家…

地政学リスクの増加と海上輸送

1月13日号の The Economist 誌に地政学リスクの高まりを受けた海上輸送への影響について社説が載っていました。 www.economist.com 曰く、最近海上での無秩序が見られ始めていますが、これは経済的な悪影響に加えて深刻な結果を招きかねないと警鐘を鳴らして…

米国オイルメジャーの動き

1月6日号の The Economist 誌から Exxon と Chevron の最近の動きについての記事がありました。 www.economist.com 曰く、Exxon による 645 億ドルでの Pioneer の買収、Chevron による 600 億ドルでの Hess 買収は、両社の石油ガス業界における影響力確保を…

アメリカ大統領選2024に向けて

The Economist 誌の 1 月 6 日号の社説は今年の国際的ビッグイベントの一つであるアメリカ大統領選挙に関してでした。 www.economist.com 曰く、バイデン大統領 vs トランプ前大統領のリマッチにならざるを得ない、という同誌の見立て(また、多くの予想者も…

地球温暖化がもたらすワイン業界の変化

昨年12月23日号("Holiday double issue")の The Economist 誌に載っていた地球温暖化とワイン業界への影響についての記事です。 www.economist.com 曰く、地球温暖化の影響は既にワイン業界に変化をもたらしており、予想外の場所(ヨーロッパの寒い地域)…

ビットコインのゴキブリ理論

昨年12月23日号("Holiday double issue")の The Economist 誌に載っていたビットコインに関する記事です。 www.economist.com この(最悪と言っても過言ではない)アイキャッチ画像の通り、昨年 150% 対ドル価格が改善したビットコインを筆頭とする暗号通…

日本の少子化対策 数少ない成功例

新年最初は昨年 12 月 23 日号の The Economist 誌から日本の地方都市の少子化対策についての記事を紹介します。 www.economist.com 曰く、明石市と流山市は少子化対策で成功した数少ない日本の地方都市とのこと。無料の食事、無料スクールランチ、無料オム…

紅海でのドローン攻撃

The Economist 誌の 2023 年末号(12 月23日付)に紅海の状況についての記事がありました。 www.economist.com 紅海を経由してスエズ運河ルートで運ばれるコンテナ量は世界の 20% を占めますが、イランのサポートを得ているイエメンの Houthi がドローン&ミ…

メタン規制と COP28

12月2日の The Economist 誌にUAE ドバイで目下開催されている COP28 (国連気候変動枠組み条約第 28 回締約国会議) においてメタン規制に関する取り決めの合意に向かっていることを受けての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、メタン規制はグ…

COP28 を前に気候変動対策の進捗レビュー

11月23日号の The Economist 誌に気候変動関連 COP28 に際しての記事が載っていました。 www.economist.com 記事の最後にあるのが同誌としての主張であると思われるのですが、ネットゼロ目標を掲げる各国に対して、「Carbon Removal と Emissions Reduction …

ついにインフレ

" data-en-clipboard="true">少し時間が空いてしまいましたが、11月16日号のThe Economist 誌に日本経済に関する記事が載っていました。 " data-en-clipboard="true"> www.economist.com " data-en-clipboard="true">曰く、世界の投資家が日本における経済成…

日本の防衛費増

あけましておめでとうございます。 昨年は全然継続出来ませんでしたが、今年も継続していきたいと思います。 1月21日号の The Economist 紙に日本の防衛費増に関する記事が載っていました。 www.economist.com 平和憲法を持つ日本にとって GDP の 1% という…

南アフリカの石炭

少し時間が空いてしまいましたが、今年も続けていきたいと思います。 1月22日号の The Economist 誌に南アフリカの石炭に関する記事が載っていました。 www.economist.com 南アフリカは世界的な石炭の産出国であるだけでなく、自国エネルギーを石炭に依存す…

周回遅れの日本のデジタル化

3月13日号の The Economist 誌に日本のデジタル化についての記事が載っていました。 www.economist.com ライバルに後れを取っていた日本政府や日本企業が新型コロナをきっかけにデジタル化を進めている、という内容です。日本政府の例を取ると、昨年の首相交…

東日本大震災から10年

3月6日号のThe Economist誌の社説は東日本大震災および福島第一原発事故から10年についての記事でした。 www.economist.com 東日本大震災による死亡者は約2万人、10万戸以上の世帯で家が失われ、その直接経済損失は2000億ドルと自然災害では過去最大級のもの…

新型コロナウィルス第二波

The Economist 誌の5月16日号に、新型コロナウィルスの第二波についての記事が載っていました。 www.economist.com ピークを迎えた新型コロナウィルス感染拡大(第一波)は一旦落ち着きましたが、一方で再び感染拡大の可能性(第二波)があり、予断を許さな…

WHOにとっての難題

The Economist 誌の4月16日号に COVID-19 対応で批判の対象となっている世界保健機関(WHO)に関する記事が載っていました。 www.economist.com WHOのテドロス事務局(元エチオピアの健康大臣)の対応を批判し米国トランプ大統領がアメリカとしてWHOの拠出金…

ズームイン!された Zoom の頭痛

The Economist 誌の4月8日号に昨今の在宅勤務で脚光を浴びている Zoom に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、昨今の新型コロナウィルスの蔓延に伴う在宅勤務やリモート業務の増加に伴ってZoom の日次利用者は昨年12月の1000万人から2億人…

ガイアナの選挙と石油

The Economist 誌の 3 月 22 日号にガイアナという小国についての社説が載っていました。www.economist.com 曰く、ガイアナという国は、近年エクソンモービルが80億バレルにも上る埋蔵量を確認した油田のある国で、人口はシアトル程度であるものの、世界トッ…