英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

都市部から地方への移住と移民

1月10日号の The Economist 誌にオーストラリアの移民に関する記事が載っていました。

www.economist.com

 

曰く、オーストラリアのある田舎町で400人程度のクルド人(ヤジド派 - イラクやシリアの少数派)難民受け入れにより、大学は英語教室で溢れ返り、学校は保護者のための通訳者を雇い、町には見たことのない病気が流行っているとか。この人道的難民受け入れは移民政策の一環で地方の人口減への対応として期待されているそうで、特に農家では人手不足が深刻であるため、空いている農場活用に移民(同国都市部からの!)受け入れを積極的に行っているみたいです。これは人口増で苦しむ都市部へも寄与しているとのこと。

 

その上、現政権はこれを更に積極的に進めて、50万人規模の外国留学生をシドニーメルボルンではなく地方大学に進むようビザ要件変更やインセンティブ設計を検討しているようです。同誌としては、そもそもシドニーメルボルン自体が移民によって繁栄している街であるし、待遇を下げてしまうと誰もオーストラリアに来なくなるんじゃないの?と締めています。


現状、先進国としてのオーストラリア(特に都市部)の魅力は高いけれど、それに伴って増加している生活コストが高すぎる。そのため「人道的難民」のようなキャッチーで世界に貢献している形を示すことができる解決策はとてもいいと思います。とかく英語を話す国であれば移民後の次世代(いわゆる移民二世や三世)が活躍できる可能性を秘めているから、親世代は苦労してでも(それが仮に田舎だとしても)オーストラリアに行きたいと思うのではないでしょうか。