英国 The Economist 誌を読むブログ

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オーストラリアの移民問題

2月16日の The Economist 誌にオーストラリアの不法移民に関する記事が載っていました。

www.economist.com

曰く、病気の移民受け入れを許可する法案がオーストラリア下院を通過したそうです。オーストラリア政府は不法移民が入国を試みた際には、その移民が出発した港の国(たいていはインドネシア)に送り返すか、もしくは、パプアニューギニアの領土である Manus Island か太平洋の超小国 Nauru 共和国へに輸送していました。

 

これは違法移民対策でもあり、病気の感染を防ぐ意味合いもあるのですが、医療のレベルが限定的な Manus 島や Nauru 共和国にいる難民の間では心身の病気が蔓延しているのが現状です。実際に12人が死亡しているとのこと。

 

とはいえ通過した法案は国家安全保障の観点からも非常に限定的な内容にとどまっていて、骨抜きまではいえないとしても現実的には意義がどの程度あるのが微妙なところです。そもそもオーストラリアも移民で成り立っている国家のひとつなのですから、もっと抜本的な対策をしたほうがいいような気がしますし、この問題は国家成立の背景も含めて、日本とは異なる部分あるいは異なるアプローチが求められる領域だと思います。(人種差別とは別問題なのですが)