英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

トランプ大統領の英国訪問

The Economist 誌の6月8日号にトランプ大統領の英国訪問に関する記事が載っています。

www.economist.com

 

曰く、トランプ大統領は英国訪問中に女王やメイ首相が差し込んだ繊細な皮肉に気が付かなかったかもしれない、とのことです。中身を読んでみると具体的には国際機関の存在価値を褒めたことを指しているようで、根本的に対立する意見を持つ相手に使う皮肉のレベルとしては、むしろ低いのではないかと思いました。実際、Huaweiの件ではイニシアティブを取ったオーストラリアと相応のプレッシャーをかけているアメリカと比べて、イギリスのほうが楽観的に見えるという人もいるくらいです。

 

Brexit に対しても賛成の立場を取るトランプ大統領は、ボリス・ジョンソン氏を筆頭にメイ首相の後任候補であるコーヴ環境相およびハント外相と面談機会を模索していたようで、同誌も「前任のオバマ大統領と比べてどれほど効果があるのか知らないが」としながらも両氏はうれしそうだった、と締めくくっています。

 

ハイレベルに英国(同誌)と米国(トランプ大統領)の立場の違いが分かる良い記事です。気候変動やイラン関連では英国側に寄り添いたくなりますが、NATOや二国間ディールの件ではどうも The Economist の論が弱いように感じます。とはいえ、EU離脱後に米国と結ぶであろう二国間ディールこそ、Brexit派にとって求めているものだから同誌としては否定せざるを得ないという感じでしょうか。