英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

テキサスと再生エネルギー

The Economist 誌の 3 月 12 日号に少し意外な記事が載っていました。

www.economist.com

テキサス州はもともとエネルギーで有名な州で、過去10年ではシェールオイル/ガスの生産増量でも有名ですが、今では再生可能エネルギー(特に風力発電)にも相当の力を入れているようです。同誌曰く、テキサス州は電力需要の20%を風力発電で賄っており、これは世界の国で五番目の規模にあたる風力発電生産量にもなるとのこと。

 

意外な事実としては、アメリカではテキサスのような共和党が制する州においての方が再生可能エネルギーのブームが続いていることです。共和党地球温暖化問題に懐疑的かつ再生可能エネルギーよりも化石燃料に重きを置く印象が強いだけに、私にとっても意外な事実でした。またアメリカで過去数年で最も伸びている職種の一つが風力発電のタービン整備士であるようです。

 

背景にあるのは政府や州政府の政策ではなく風力発電太陽光発電のコストが下がったことと引き続き電力需要が高いことでしょう。加えて、気候変動に対する追加政策として議論のある炭素税などの導入を見越して、エクソンモービルシェブロンといった大企業が自社の化石燃料からの生産量とオフセットする目的で、資本投資することも予想されているようです。しかしながら右派からの反対が予想されるため、共和党政権化での実現は厳しいように思えます。