英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

ズームイン!された Zoom の頭痛

The Economist 誌の4月8日号に昨今の在宅勤務で脚光を浴びている Zoom に関する記事が載っていました。

www.economist.com

曰く、昨今の新型コロナウィルスの蔓延に伴う在宅勤務やリモート業務の増加に伴ってZoom の日次利用者は昨年12月の1000万人から2億人にまで増加し、同社の株価は約50%値上がりしています。

 

一方、Zoom はセキュリティの面で不安を抱えていることが分かり始めました。もともと Zoom は従来の企業向け企業と比べて「企業向けサービスであっても消費者向けサービスと同じレベルの使いやすさでなければならない」と考えているためセキュリティ対策への注力は曖昧でありました。この結果、データの漏洩や中途半端な暗号化、中には zoombombing と呼ばれる子どもじみたハッキング(他者のオンライン会議に侵入して画面にポルノ映像を流すなどの荒らし行為)に悩まされているとのこと。

 

同社は対応を約束していますが、Zoom や Slack といった特化型のサービスを提供する企業と、MicrosoftGoogle といったそのようなサービスをパッケージで提供する企業の戦いの最中で浮上したセキュリティの問題は、サービスの精度で劣る後者に乗り換えてしまう気配を感じさせてしまい、スタートアップにとっては大いなる悩みの種になってしまっていることでしょう。