The Economist 誌の 2023 年末号(12 月23日付)に紅海の状況についての記事がありました。
紅海を経由してスエズ運河ルートで運ばれるコンテナ量は世界の 20% を占めますが、イランのサポートを得ているイエメンの Houthi がドローン&ミサイル攻撃をすることによって危険に晒されている状況です。アメリカとフランス・イギリスといったその同盟国は、対応策としてOperation Prosperity Guardian を組成、12月16日には15 基のドローンを迎撃したようです。
イランによる湾岸諸国並びに西側諸国に対する代理戦争の一つである Houthi からの攻撃は昨年サウジアラビアの Saudi Aramco の石油関連施設にも届いており、対アメリカ対イスラエルの武器となっています。
エネルギー関連では引き続き重要性を持つ中東地域に置いては、日量 700 万バレル以上の原油及び石油製品を積んだタンカーが往来する紅海・スエズ運河ルートは重要な海上輸送ルートです。また、カタールからの LNG がヨーロッパに行く際にも使われるルートです。今年の冬はヨーロッパ各国十分な在庫を有している*1ためあまり問題にならないかもしれませんが、去年・一昨年に見られたようなガス代の高騰に繋がりかねない事象です。いずれにしてもコンテナ含む用船市場は高騰するでしょうから、市場は船会社の株価に反応しています。
同誌は結論として Houthi 自体への攻撃も選択肢に残して外交努力をするよう述べていますが、現実的なのか私個人としてはよくわかりません。次のエネルギー危機に繋がらないようなマネジメントに期待しながら今年の筆置きます。
来年はもっと継続して The Economist を読み、感想を書きたいと思います。