英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

2019-01-01から1年間の記事一覧

テクノロジー悲観主義はやりすぎ

The Economist 誌 12 月 21 日号の社説から、今年最後の記事紹介です。 www.economist.com この記事では最新のテクノロジーが人々に残した不安の例がまとまって紹介されています。SNSのプライバシー侵害やプロパガンダ問題、ギグ・エコノミーの労働条件やラ…

冬場の原油市場 - 不穏な供給見通し

12月18日号のThe Economist誌に原油市場の見通しについての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、アメリカの生産量動向とOPECの減産合意の趨勢が二大懸念点とのこと。特に後者のOPECの減産拡大については懐疑的な見方のようです。 この記事の焦点…

データの地政学

The Economist 誌の11月8日号の中から TikTok に関する記事を取り上げます。 www.economist.com 曰く、TikTok はデータの地政学を変え得る存在であり既存のサービスにとって脅威になり得るとの論調です。TikTok は10代に人気の15秒動画のサービス(YouTubeの…

米国 MBA の価値

今週のThe Economist のトップページに載っていた米国 MBA についての記事がとても興味深い内容でした。 www.economist.com 曰く、米国 MBA は欧州 MBA などに代表される 1 年制 MBA の勃興に伴って、HBS も Stanford も入学希望者数(特に海外からの留学生…

牛のゲップから出る温室効果ガスを抑える意外な方法

The Economist 誌の11月1日号に温室効果ガスについての面白い記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、オーストラリアの研究機関であるCSIROの研究によると牛の飼料にある海草Asparagopsisを混ぜるとメタン排出量が減少することが確認されたとのこと…

Softbank の勝ち?価値?

8月1日号のThe Economist 誌に Softbank のVision Fund 2 の話が載っていました。 www.economist.com 曰く、Vision Fund 1 の成功を判断するのは時期尚早でFund終了の2029年を待つ必要があるが、2019年3月末時点で利回り29パーセントは十分すぎる出来ではな…

地球温暖化の問題に取り組むべきなのは?

7月6日付の The Economist 誌に Shell の取り組みに関する記事が載っています。 www.economist.com 同誌は石炭から天然ガスへの移行の際には汚さと汚れた服を冷たい水で洗濯しないといけないことがドライバーになったという Shell CEO のエピソードを紹介し…

Facebook と Libra

The Economist 誌の6月22日号に Facebook が発表した新しい暗号通貨についての記事が興味深いものでした。 www.economist.com 曰く、同社は Libra と呼ばれるブロックチェーン技術を使用した自社通貨を発行し、プラットフォームである Facebook 経由で使用で…

ワクチンを信用する

6月22日号の The Economist の Politics this week に衝撃的なグラフが載っていました。 www.economist.com 曰く、 Wellcome Trust の調査によれば、ワクチンをある程度信用している人は約80%程度にとどまるということ。さらに、先進国の人は発展途上国の人…

トランプ大統領の英国訪問

The Economist 誌の6月8日号にトランプ大統領の英国訪問に関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、トランプ大統領は英国訪問中に女王やメイ首相が差し込んだ繊細な皮肉に気が付かなかったかもしれない、とのことです。中身を読んでみると具体的…

原油価格上昇が世界経済へ悪影響を及ぼす

The Economist 誌の 4 月 29 日号に原油価格上昇が世界経済へ悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、シェール革命によって世界の原油輸出分野においても超大国となったアメリカがイランとベネズエラに対する制裁によ…

The Economist のマスターズ予想を振り返る

The Economist 誌の 4 月 6 日号から先日行われたゴルフの四大メジャー選手権の一つであるマスターズ・トーナメントの予想を紹介します。 www.economist.com タイガーウッズは32歳時点で過去メジャー選手権を14回も制しており、過去最高のジャックニクラスの…

「世界には四種類の国家がある。先進国、発展途上国、アルゼンチン、そして日本だ」とノーベル賞受賞経済学者は言った

The Economist 誌の 3 月 30 日号に日本とアルゼンチンのマクロ経済についての記事が載っています。 曰く、インフレに苦しみながらも対処できないアルゼンチンとインフレから抜け出せずに苦慮している日本を対比し、どちらもユニークなマクロ経済であるとの…

大麻使用のリスクを理解するための動物実験は割高だったが、今は北米からサンプルが無料で届く

The Economist 誌の 3 月 23 日号に大麻と精神病のつながりに関する興味深い記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、ヨーロッパにおけるある研究によれば THC(テトラヒドロカンナビノール: 大麻/マリファナの主な有効成分の一つ)含有率 25% 以上の…

ソフトバンクの 1 兆円ファンドとそのリスク

The Economist 誌の3月23日号にソフトバンクの Vision Fund (サウジアラビアの MbS が 450 億ドルもの出資を約束した 1 兆円ファンド)に関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、Jamal Khashoggi 氏の不審死に関するスキャンダルと Vision Fund …

シリコンバレーがオイルメジャーに?

The Economist 誌の3月16日号に思わぬ企業提携に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、Microsoft/Google/Amazonの各社がAI/IoT関連でオイルメジャーとの提携を進めているとのこと。具体的には、Microsoft がエクソンモービルと、Amazon が …

オーストラリアの移民問題

2月16日の The Economist 誌にオーストラリアの不法移民に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、病気の移民受け入れを許可する法案がオーストラリア下院を通過したそうです。オーストラリア政府は不法移民が入国を試みた際には、その移民が…

なぜ日本の首相は四島の離れ小島を恋しく思うのか

2月9日号の The Economist 誌に北方領土問題に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、元々は日本領土であったのでソ連によって追放された元島民(およそ6,000人、その多くが根室に住んでいる)にとって先祖が眠る「furusato」であることは確か…

かつての時価総額世界一の企業は今年も石油を探している

2月9日号の The Economist 誌の Breifing は世界最強の石油会社 ExxonMobil についての記事でした。 www.economist.com 曰く、パリ協定の合意事項を尊重しつつも ExxonMobil は石油への投資を増やし、生産量を増加させる戦略を取っているとのこと。環境団体…

全豪オープンの勝者と故郷の島国

The Economist 誌の2月2日号からは全豪オープンテニス女子を制した大坂なおみ選手の記事です。 www.economist.com 記事では、大阪選手は根室出身の母親とハイチ出身の父親の間に生まれており、日本語よりも英語を話す方が気が楽であると語っています。また、…

意外と余裕なんですか?中国さん

The Economist 誌の1月24日号に米中貿易戦争に関する社説が載っていました。 www.economist.com 中国の経済成長が鈍化しているのは明白だが、なぜトランプ大統領の思惑とは裏腹に習近平国家主席は悠長に構えているのだろうか?という疑問に答える記事です。 …

離婚がもたらす最強の本屋への影響

The Economist 誌の1月17日号にAmazon創業者のベゾス夫妻の離婚に関する記事が載っています。(私の中で Amazon は依然として本屋のイメージが強いです) www.economist.com ベゾス夫妻が住むワシントン州においてベソス夫人は離婚によって資産1370億ドルの…

都市部から地方への移住と移民

1月10日号の The Economist 誌にオーストラリアの移民に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、オーストラリアのある田舎町で400人程度のクルド人(ヤジド派 - イラクやシリアの少数派)難民受け入れにより、大学は英語教室で溢れ返り、学校…

伝統的な捕鯨と IWC 脱退

新年最初の The Economist 誌は1月3日号です。今回は日本の捕鯨に関する記事(社説)が載っていました。 www.economist.com 同誌曰く、安倍首相が保守派に配慮した政治的な結果であるとのこと。ロシアとの北方領土問題での妥協や外国人労働者の受入増加によっ…