12月2日の The Economist 誌にUAE ドバイで目下開催されている COP28 (国連気候変動枠組み条約第 28 回締約国会議) においてメタン規制に関する取り決めの合意に向かっていることを受けての記事が載っていました。
曰く、メタン規制はグラスゴーで開催された COP26 でも取り決めの方向性(目標設定)が示されたものの義務付けがなされなかったため形骸化されていたが、今回の取り決めについては、米中の政治的な態度変更によって現実的な取り決めへの合意が可能であるとのことです。
そもそもメタンは二酸化炭素の 80 倍以上の温室効果を有し人為的な温暖化の 45% を占める温室効果ガスですが、温室効果の持続が少ない(=二酸化炭素よりも早く大気中から消える)ため削減効果の高い温室効果ガスでもあります。オイルアンドガス業界の掘削井戸やパイプラインからの漏洩が主な排出源であるため、国際的な規制による削減効果が期待されています。
今回は上述の政治的な態度変更のみならず、メタン漏洩監視テクノロジーの進歩や、COP28 が産油ガス国の UAE で開催されていることから産油ガス国の UAE のみならず OPEC(石油輸出国機構)といった生産者側を巻き込むことを期待して、非常に重要な機会だと同誌は見ています。
(過去にこのブログでも取り上げましたが)牛のゲップや稲作、湿地帯からもメタンは排出されますので、上記の国際的な取り決めだけでは即座にメタン排出問題は解決されませんが、それでも一つ良い形での合意になればいいなと個人的には思います。