The Economist 誌の 2 月 3 日号からインターネット地政学に潜在的な影響をもたらすスターリンクについての記事が載っています。
曰く、イーロン・マスクが経営するスターリンクのような低軌道衛星によるインターネットアクセスは海底ケーブルによるインターネットの良い代替になり得るものの、決定権を有する(会社を保有する)資本家の意図によって潜在的な地政学的リスクを孕んでいる、とのこと。
前段ではイーロン・マスクのスターリンクやジェフ・ベゾスのアマゾンが具体例として挙げられており、衛星の数はスターリンクが 既に 5,288 機(計画では 42,000 機!)、英国企業の OneWeb は既に約 650 機、アマゾンも 3,236 機を打ち上げる計画を有しているとか。また、ロシアによるウクライナ侵攻時にウクライナはスターリンクを使用することでインターネットアクセスを担保した話にも触れています。
後段では、イーロン・マスクの一存によりウクライナがインターネットアクセスを失う可能性や、台湾有事が現実問題になったときに台湾にスターリンクを提供するのか、など想定できる地政学リスクに触れながら、誰がインターネットを所有しているのか、という哲学的な問題が地政学イシューになると締めくくっています。
個人的には、スターリンクによる衛星数の伸びが想像以上だったので調べてみるとかなりの勢いで伸ばしていることもわかり有益に感じました。完全にインフラ化しているインターネットがなくなった場合も想定しながら、シナリオ分析は進めないといけないということかもしれませんね。