少し時間が空いてしまいましたが、The Economist 誌の 5 月 18 日号の社説に載っていた記事をご紹介します。
カナダはオーストラリアの成功例を真似て、SNS にポストされたニュース記事のリンクを経由したアクセス数に応じたプラットフォーム側からメディアへの支払いを義務付ける法律を導入しました。これに対応する形で支払うことを決めた Google とは対象的に Facebook はリンクをブロックする形でニュースサイト側への支払いを回避することを決めたようです。
これにより Facebook 経由でアクセス数を稼いでいたメディア(特に小規模のメディアで、Facebook や Instagram 経由のアクセスに頼っていた人たち)はアクセス数減少の影響を受けてしまうものの、Facebook 側はプラットフォームでの広告収入に影響を受けず無風という馬鹿げた結果が生まれてしまったとのこと。なんという逆効果。
プラットフォームにとって重要なのはユーザーの投稿であり、そのリンクを規制する動きは Facebook にとって中立的な影響しかありません。つまり、無意味です。
同誌は「カナダ政府は法律修正に動いているが、もし政府が報道機関を支援したいのであれば、素直に助成金を提供するべき」というポジションですが、私も同誌に同意です。余計な制度設計の結果 Facebook を利用しているユーザー(広い意味でメディア側もそのユーザーでしょう)への不便を強いる法律は撤回するべきではないでしょうか。