英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

かつての時価総額世界一の企業は今年も石油を探している

2月9日号の The Economist 誌の Breifing は世界最強の石油会社 ExxonMobil についての記事でした。

www.economist.com

曰く、パリ協定の合意事項を尊重しつつも ExxonMobil は石油への投資を増やし、生産量を増加させる戦略を取っているとのこと。環境団体の圧力に屈する形で温室効果ガス削減目標を掲げた Shell とは異なります。

 

同誌によれば、楽観的なシナリオでも2030年の電気自動車の割合は15%に留まるそうです。また、ローリー車や飛行機の電動化は更に時間がかかるため、石油の需要は継続して見込まれます。その石油関連から見込まれる安定した利益を源泉とする配当金を目当てに、世界の機関投資家は石油会社への投資を近年むしろ増やしているそうです。

 

石油の需要の伸びは固く石炭の代替でガスの需要が伸びる、という絵が描ける限り、石油ガス会社への投資は短期的には正解だと思います。特に、ガスについては「再生可能エネルギー普及までの石炭石油からの橋渡し役」という大義名分で走ることができる分野です。ExxonMobil は他のオイルメジャーである BP, Shell, Total らともにロビー活動にも力を入れていて、政治をよくわかっている大企業は強いな、という気持ちを改めて持ちました。日本とのかかわりでは米国産 LNG が注目されていますので、引き続き見ていきたいと思います。