英国 The Economist 誌を読むブログ

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貝殻の激変

12月8日号のThe Economist 誌にオイルメジャー Shell の劇的な変化について記事が載っています。

 

www.economist.com

 

曰く、Shell はオイルメジャーで初の炭素排出量削減の短期目標設定を発表した会社となりました。この短期目標は Shell の石油ガス生産からの排出のみならずその製品を燃やした後に排出される分に関しても考慮しているとのことです。加えて、米国だけで年間1億ドル以上費やすロビイング団体との関係見直しや、目標達成した際の役員報酬についても株主に提案しているようです。

 

近年、オイルメジャーはパリ協定に理解を示し OGCI にて自発的な削減努力を議論していますが、気候変動に係る戦略は各社異なります。そのような中で Shell が率先したこの動きは実に興味深いです。

 

安定した収益を誇り、配当で株主を魅了してきた(第二次世界大戦以降配当が途切れたことがない(!))Shell にとっても、この目標設定は重たい枷になるでしょう。とはいえ、 Shell でさえ無視できないレベルにまで高まってきた炭素排出量削減の波を前に、他のオイルメジャーそして石炭などの資源メジャーはどう対応していくのでしょうか。そして、彼らから石炭や LNG を輸入している日本の電力ガス会社もどうしていくのでしょうか。気になります。