英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

オーストラリアとニュージーランドの原住民

12月1日号の The Economist 誌から紹介したいのはこの記事です。

www.economist.com

オーストラリアの原住民であるアボリジニニュージーランドの原住民であるマオリの違いについて述べられている記事で、非常に示唆的でありました。曰く、アボリジニはオーストラリア人口の約3%を占めるのみで、形式上は国土の31%の権利を(狩猟権や漁業権などを通じて)保有していることになっているが、実際には一部の例外を除いて、実質的な所有権を有しておらずプロジェクトの拒否権も有していません。

 

他方、マオリニュージーランド人口の15%を占めており、収入もアボリジニの二倍以上を稼いでおり、刑務所に行く確率もアボリジニより低いそうです。この違いは、もちろん、植民地としての歴史の違いも寄与しているそうですが、マオリ自体から来る違いもあるそうです。

 

その最たるものがマオリの入れ墨であり、これは白人社会にも大きく受け入れられているものであり、また、ニュージーランド人は男女とも世界一強いラグビーでの成功を歓迎し、特にマオリの文化であるハカを試合前に踊ることに誇りを持っている点が異なります。

 

アボリジニの不遇はアボリジニ自体にある、とも読めてしまう記事ではないかと思いましたが、中国と日本の歴史的な処遇に鑑みると、やはり歴史的な差異が最も大きいのではないかと思ってしまいます。