英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

牛のゲップから出る温室効果ガスを抑える意外な方法

The Economist 誌の11月1日号に温室効果ガスについての面白い記事が載っていました。

www.economist.com

 

曰く、オーストラリアの研究機関であるCSIROの研究によると牛の飼料にある海草Asparagopsisを混ぜるとメタン排出量が減少することが確認されたとのこと(1%まぜると67%も減るようです)。牛は豚や鶏と異なる消化システムを有しており、山羊や羊と同じくゲップの際にメタンを放出します。これはImpossible BurgerやBeyond Meatといったミートテック企業が牛肉から対象にしている理由のひとつでもあります。問題は、海草を食べた牛からできる牛肉が実際に美味しいのか、と疑う消費者も出てくることでしょうか。

 

メタンの問題については、Shellなどのオイルメジャーが天然ガス開発に舵を切る中で問題視されています。記事ではメタンをCO2の28倍の温室効果のあるガスとして紹介されていますが、CO2よりも早く地球上から消えるといわれているため、対策が非常に効果的だといわれています。

 

また「一頭の牛は一台の車と同じだけの温室効果がある」、とのThe Economist誌の記載ですが、プロダクトサイクル(車1台を作るのに必要なエネルギーと牛一頭の消費するエネルギー比較)の話をしているのか、実際にガソリン車が出す排気ガスの話と牛が出すメタンの比較をしているのか、この文脈では分かりません。非常に分かりやすくショッキングな一文なだけに、もう少し詳しい背景説明がほしいところです。