英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

ついにインフレ

少し時間が空いてしまいましたが、11月16日号のThe Economist 誌に日本経済に関する記事が載っていました。

www.economist.com

 

曰く、世界の投資家が日本における経済成長と前向きな変化の兆しが見えた日本への新たな関心を示しているそうです。物価上昇や地政学的変化(サプライチェーンの脱中国化)といった外的要因に加えて、コーポレート・ガバナンスや世代交代といった内的変化の動きを前向きに捉えているのだとか。
 
一方で、官僚・経営者・政治家に対して、複雑な金融政策の実行や企業改革の断行、新興企業の支援等を打ち出すべきと提言しています。特に岸田首相に対しては、経済重視の姿勢は票田狙いの一過性アクションになってしまっていないかと疑問を呈する形になっています。
 
個人的には、1980年代の経済成長に準えられるのは若干の違和感はあるものの、ようやく日本にもインフレの波が来たと思うとかなり感慨深いです。原料高と円安為替のダブルパンチでインフレとならざるを得ない状況は異常で、実際のところどのようにマネージしていくのかについては見えないような気がします。
 
また、内的要因のうちのコーポレートガバナンスについては、配当性向(あるいは総還元性向)を高める企業が増えていることもあって、各ファンドの日本株ポートフォリオも好調でしょう。一方、日本経済全体として、この外的・内的要因を生かせるかどうかの判断はもう少し先になるでしょうから、まだまだ様々なアクションが必要という同誌の意見は至極真っ当に聞こえます。