英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

共和党はプーチンをサポートしているのか?

The Economist 誌の 2 月 10 日号の社説は少し刺激的でした。www.economist.com

曰く、ウクライナへの支援と南部国境警護問題(移民対策問題)のパッケージ案が否決されたことを受けて、共和党は政争に従事するあまりロシアを助ける事になっているとのこと。同誌は移民対策問題を来たる大統領選挙の争点の一つに据えようとするトランプ前大統領の影響力によって、共和党が求めてきた移民対策(政党間妥協)案を自ら否決したことは国際社会におけるウクライナ支援にも背く愚行であると批判しています。

 

他方、移民対策問題そのものは米国内でテキサス州を中心に非常に大きな問題になっている状況です。これに鑑みると、パッケージディールのような形で承認されるべき問題なのかというと、私個人的には微妙ではないかなと思います。ただ、同誌が指摘する通り、移民問題の解決を先送る形にしているのは事実でしょう。

 

しかし、これも米国国内でのやむを得ない事情があるとみるほうがバランスが取れているようにも感じます。ましてや、プーチンをサポートする結果になるというのはまた別の観点から論理が飛躍しているように感じます。特に、22年のロシアによるウクライナ侵攻が開始された時点からは国際情勢も変化しており、Uncle Sam の優先順位付けは難しい舵取りが求められる重責ではないでしょうか。従って、秋の大統領選挙で決着とする、というスタンスを取る気持ちも分からなくはないですし、バランスが取れているように感じるわけです。

 

いずれにしても国際社会における米国の立ち位置を考えると益々大統領選挙から目が離せません。