英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

テキサスと再生エネルギー

The Economist 誌の 3 月 12 日号に少し意外な記事が載っていました。 www.economist.com テキサス州はもともとエネルギーで有名な州で、過去10年ではシェールオイル/ガスの生産増量でも有名ですが、今では再生可能エネルギー(特に風力発電)にも相当の力を…

日本人のパスポート所有率

The Economist 誌の2月27日号に日本人旅行者数の減少についての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、日本人の旅行者数は全体として増加しているように見えるものの、実際に増加しているのはビジネス(出張)と頻繁に行く人の数が増えただけであ…

中国コロナウイルスの影響

The Economist 誌の1月30日号にコロナウイルスに関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、中国国内外で武漢出身者への差別が行われているとのこと。無理もない話で、日本でも中国出身者がウイルス感染者とみなされ、世界ではアジア人全体がウ…

中国産新型コロナウィルス

The Economist 誌の 1 月 30 日号に中国武漢で発生した新型コロナウィルスについての社説が載っています。 www.economist.com 記事を読んで三点気になることがあります。 一つ目に、記事が出ている時点での情報をもとに考えれば、科学者たちは非常に良い仕事…

年初の原油市場 - イラン・アメリカ戦争回避と米中貿易戦争回避

The Economist 誌の1月16日号に原油市場に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、供給面でのリスクの顕在化が継続しているとのこと。中東情勢の不安定さによって、石油生産関連設備への攻撃は現実的リスクとして認識されている。また、イラ…

米国ドル覇権

The Economist 誌の1月16日号に基軸通貨としての米国ドルに関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、世界の貿易額の約半分が米国ドル決済であるとのこと。米国は9.11テロ以降、経済制裁に本腰を入れるようになり、トランプ政権においてもその基…

オーストラリアの森林火災と原因

The Economist 誌の1月11日号からのオーストラリアの森林火災 (bushfire / megafire) 記事です。 www.economist.com オーストラリアでは2009年に173人が亡くなった森林火災が発生しています。この経験により火災時の緊急避難や住宅建築の際の基準などが圧倒…

オーストラリアの森林火災から学ぶべきこと

The Economist 誌の1月9日号にオーストラリアの森林火災に関する記事が載っていました。 www.economist.com 現時点で26人が死亡、2,300戸以上の住宅が燃え、約5億匹以上の動物が犠牲になった史上最大級のオーストラリアの森林火災は昨年9月から燃え始め今で…

マネージャーへの8つの提言

The Economist誌の1月4日号からいつもとは違った毛色の記事を紹介します。 www.economist.com 詳細は割愛しますが、マネージャーへの8つの(新年の)提言として以下が示されています。 部下を褒める。 あなたが雰囲気を作っていることを忘れないように。 責…

英国のパブから米国へとダーツの旅

1月4日号のThe Economist誌からダーツに関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、ダーツはこのクリスマス休暇の間にフットボール(サッカー)の次に視聴されたスポーツ番組であったとのこと。正直、驚きました。日本で考えれば、野球やバスケと…

姓名?名姓?

新年最初の The Economist 誌 1 月 4 日号から、今年から始まる(?)日本人の名前の英語表記変更に関わる記事が載っていました。 www.economist.com 苗字→名前の順番である日本人の名前を明治維新の西洋文化取り入れの中で西欧風の名前表記である名前→苗字の順…

期待外れのグリーンラッシュ

The Econmist 誌の12月21日号からカナダにおける娯楽用大麻に関する記事です。 www.economist.com 曰く、世界で二例目となるカナダで合法化された娯楽用大麻の利用ですが、関連行政上の手続きの遅れによって、実際の流通および売上高は期待外れのものに終わ…

カンガルーと干ばつ

The Economist 誌の12月21日号からオーストラリアの干ばつに関する記事を紹介します。 www.economist.com 曰く、オーストラリアには人口の2倍の約4,000万頭のカンガルーがいるとされていますが、その数は近年減少傾向にあるとのこと(主な理由は近年深刻な被…

テクノロジー悲観主義はやりすぎ

The Economist 誌 12 月 21 日号の社説から、今年最後の記事紹介です。 www.economist.com この記事では最新のテクノロジーが人々に残した不安の例がまとまって紹介されています。SNSのプライバシー侵害やプロパガンダ問題、ギグ・エコノミーの労働条件やラ…

冬場の原油市場 - 不穏な供給見通し

12月18日号のThe Economist誌に原油市場の見通しについての記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、アメリカの生産量動向とOPECの減産合意の趨勢が二大懸念点とのこと。特に後者のOPECの減産拡大については懐疑的な見方のようです。 この記事の焦点…

データの地政学

The Economist 誌の11月8日号の中から TikTok に関する記事を取り上げます。 www.economist.com 曰く、TikTok はデータの地政学を変え得る存在であり既存のサービスにとって脅威になり得るとの論調です。TikTok は10代に人気の15秒動画のサービス(YouTubeの…

米国 MBA の価値

今週のThe Economist のトップページに載っていた米国 MBA についての記事がとても興味深い内容でした。 www.economist.com 曰く、米国 MBA は欧州 MBA などに代表される 1 年制 MBA の勃興に伴って、HBS も Stanford も入学希望者数(特に海外からの留学生…

牛のゲップから出る温室効果ガスを抑える意外な方法

The Economist 誌の11月1日号に温室効果ガスについての面白い記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、オーストラリアの研究機関であるCSIROの研究によると牛の飼料にある海草Asparagopsisを混ぜるとメタン排出量が減少することが確認されたとのこと…

Softbank の勝ち?価値?

8月1日号のThe Economist 誌に Softbank のVision Fund 2 の話が載っていました。 www.economist.com 曰く、Vision Fund 1 の成功を判断するのは時期尚早でFund終了の2029年を待つ必要があるが、2019年3月末時点で利回り29パーセントは十分すぎる出来ではな…

地球温暖化の問題に取り組むべきなのは?

7月6日付の The Economist 誌に Shell の取り組みに関する記事が載っています。 www.economist.com 同誌は石炭から天然ガスへの移行の際には汚さと汚れた服を冷たい水で洗濯しないといけないことがドライバーになったという Shell CEO のエピソードを紹介し…

Facebook と Libra

The Economist 誌の6月22日号に Facebook が発表した新しい暗号通貨についての記事が興味深いものでした。 www.economist.com 曰く、同社は Libra と呼ばれるブロックチェーン技術を使用した自社通貨を発行し、プラットフォームである Facebook 経由で使用で…

ワクチンを信用する

6月22日号の The Economist の Politics this week に衝撃的なグラフが載っていました。 www.economist.com 曰く、 Wellcome Trust の調査によれば、ワクチンをある程度信用している人は約80%程度にとどまるということ。さらに、先進国の人は発展途上国の人…

トランプ大統領の英国訪問

The Economist 誌の6月8日号にトランプ大統領の英国訪問に関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、トランプ大統領は英国訪問中に女王やメイ首相が差し込んだ繊細な皮肉に気が付かなかったかもしれない、とのことです。中身を読んでみると具体的…

原油価格上昇が世界経済へ悪影響を及ぼす

The Economist 誌の 4 月 29 日号に原油価格上昇が世界経済へ悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、シェール革命によって世界の原油輸出分野においても超大国となったアメリカがイランとベネズエラに対する制裁によ…

The Economist のマスターズ予想を振り返る

The Economist 誌の 4 月 6 日号から先日行われたゴルフの四大メジャー選手権の一つであるマスターズ・トーナメントの予想を紹介します。 www.economist.com タイガーウッズは32歳時点で過去メジャー選手権を14回も制しており、過去最高のジャックニクラスの…

「世界には四種類の国家がある。先進国、発展途上国、アルゼンチン、そして日本だ」とノーベル賞受賞経済学者は言った

The Economist 誌の 3 月 30 日号に日本とアルゼンチンのマクロ経済についての記事が載っています。 曰く、インフレに苦しみながらも対処できないアルゼンチンとインフレから抜け出せずに苦慮している日本を対比し、どちらもユニークなマクロ経済であるとの…

大麻使用のリスクを理解するための動物実験は割高だったが、今は北米からサンプルが無料で届く

The Economist 誌の 3 月 23 日号に大麻と精神病のつながりに関する興味深い記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、ヨーロッパにおけるある研究によれば THC(テトラヒドロカンナビノール: 大麻/マリファナの主な有効成分の一つ)含有率 25% 以上の…

ソフトバンクの 1 兆円ファンドとそのリスク

The Economist 誌の3月23日号にソフトバンクの Vision Fund (サウジアラビアの MbS が 450 億ドルもの出資を約束した 1 兆円ファンド)に関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、Jamal Khashoggi 氏の不審死に関するスキャンダルと Vision Fund …

シリコンバレーがオイルメジャーに?

The Economist 誌の3月16日号に思わぬ企業提携に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、Microsoft/Google/Amazonの各社がAI/IoT関連でオイルメジャーとの提携を進めているとのこと。具体的には、Microsoft がエクソンモービルと、Amazon が …

オーストラリアの移民問題

2月16日の The Economist 誌にオーストラリアの不法移民に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、病気の移民受け入れを許可する法案がオーストラリア下院を通過したそうです。オーストラリア政府は不法移民が入国を試みた際には、その移民が…