英国 The Economist 誌を読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economist を読んだ感想を書きます

なぜ日本の首相は四島の離れ小島を恋しく思うのか

2月9日号の The Economist 誌に北方領土問題に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、元々は日本領土であったのでソ連によって追放された元島民(およそ6,000人、その多くが根室に住んでいる)にとって先祖が眠る「furusato」であることは確か…

かつての時価総額世界一の企業は今年も石油を探している

2月9日号の The Economist 誌の Breifing は世界最強の石油会社 ExxonMobil についての記事でした。 www.economist.com 曰く、パリ協定の合意事項を尊重しつつも ExxonMobil は石油への投資を増やし、生産量を増加させる戦略を取っているとのこと。環境団体…

全豪オープンの勝者と故郷の島国

The Economist 誌の2月2日号からは全豪オープンテニス女子を制した大坂なおみ選手の記事です。 www.economist.com 記事では、大阪選手は根室出身の母親とハイチ出身の父親の間に生まれており、日本語よりも英語を話す方が気が楽であると語っています。また、…

意外と余裕なんですか?中国さん

The Economist 誌の1月24日号に米中貿易戦争に関する社説が載っていました。 www.economist.com 中国の経済成長が鈍化しているのは明白だが、なぜトランプ大統領の思惑とは裏腹に習近平国家主席は悠長に構えているのだろうか?という疑問に答える記事です。 …

離婚がもたらす最強の本屋への影響

The Economist 誌の1月17日号にAmazon創業者のベゾス夫妻の離婚に関する記事が載っています。(私の中で Amazon は依然として本屋のイメージが強いです) www.economist.com ベゾス夫妻が住むワシントン州においてベソス夫人は離婚によって資産1370億ドルの…

都市部から地方への移住と移民

1月10日号の The Economist 誌にオーストラリアの移民に関する記事が載っていました。 www.economist.com 曰く、オーストラリアのある田舎町で400人程度のクルド人(ヤジド派 - イラクやシリアの少数派)難民受け入れにより、大学は英語教室で溢れ返り、学校…

伝統的な捕鯨と IWC 脱退

新年最初の The Economist 誌は1月3日号です。今回は日本の捕鯨に関する記事(社説)が載っていました。 www.economist.com 同誌曰く、安倍首相が保守派に配慮した政治的な結果であるとのこと。ロシアとの北方領土問題での妥協や外国人労働者の受入増加によっ…

ソフトバンクの上場ゴール

The Economist 誌の12月18日号にソフトバンク上場に関する記事が載っていました。 www.economist.com 多くの人が予想できなかった「公募割れ」という結果で終えたソフトバンクの IPO は日本過去最大の IPO となり、アリババの IPO にわずかに届かない約2兆60…

オーストラリアの反暗号化法案可決の影響

The Economist 誌の12月15日号にオーストラリアのサイバーセキュリティ対策法案に関する記事が載っています。 https://www.economist.com/asia/2018/12/15/an-australian-law-to-expose-vice-annoys-the-tech-world 曰く、オーストラリアにおいて暗号化され…

貝殻の激変

12月8日号のThe Economist 誌にオイルメジャー Shell の劇的な変化について記事が載っています。 www.economist.com 曰く、Shell はオイルメジャーで初の炭素排出量削減の短期目標設定を発表した会社となりました。この短期目標は Shell の石油ガス生産から…

オーストラリアとニュージーランドの原住民

12月1日号の The Economist 誌から紹介したいのはこの記事です。 www.economist.com オーストラリアの原住民であるアボリジニとニュージーランドの原住民であるマオリの違いについて述べられている記事で、非常に示唆的でありました。曰く、アボリジニはオー…

日産・三菱・ルノーの未来

11月22日号の The Economist 誌の気になった記事はやはりこの話題です。 www.economist.com 日産がこのタイミングで発表した理由について、本邦の新法案を利用する意図があるのではないか、や、日産社内の反ゴーン派によるものではないか、と疑念を残す形で…

日本の少子高齢化を解決できるのは

The Economist 誌の11月17日号に、日本の少子高齢化に関する記事が二本載っていました。そのうちの一つを紹介します。 www.economist.com まずは事実を淡々と並べているのですが、これが殊の外衝撃的な数字でした。人口は毎年40万人減(!)、平均寿命が84歳(…

ゲーム規制が市場を殺すのか

11月8日号の The Economist 誌にゲームに関する記事が載っています。 www.economist.com 曰く、中国でのゲーム規制が Tencent 株 28 %株価下落を招いたように、日韓でも同様の規制が通る可能性があり、業界は対応を迫られているとのこと。 娯楽産業としての…

HBO の Netflix への反撃が始まる…

11月1日号の The Economist 誌 に Netflix 対 HBO (AT&T) に関する興味深い記事が載っています。HBO (Home Box Office) はアメリカの有料 TV 配信企業であり WarnerMedia の傘下であり、2012年に Netflix は 「我々の目標は HBO が Netflix になる前に HBO …

オーストラリア特集

10月26日号の The Economist 誌の Special Report はオーストラリアに関して計8記事が載っていました。そして Leaders にはその総まとめ記事が載っています。 www.economist.com 曰く、オーストラリアは多くの先進国が抱える課題である①年金問題②医療費問題③…

中東のフライト事情

10月20日号の The Economist 誌に中東でのフライト事情について興味深い記事が載っています。 www.economist.com 曰く、中東各国の複雑な状況を反映して、各国の航空会社は最短距離ルートを使用できず迂回ルートでの航空を余儀なくされているとのこと。たと…

サプライチェーンの地政学

10月12日号の The Economist 誌に中国が電子機器製造業のサプライチェーンを掌握している、という興味深い記事が出ています。 www.economist.com 曰く、Apple(の iPhone )をはじめとするハイテク時代の根幹をなす携帯電話の50%以上が中国で作られていると…

ギグエコノミー従事者に何をするべきなのか

The Economist 誌の10月6日号の Leaders にギグエコノミーについての記事が載っています。 www.economist.com ギグエコノミーはインターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方、あるいはそれによって立つ経済形態です。曰く、企業が正社員に払うべき福祉…

ゴミは地球の頭痛の種

9月29日号の The Economist 誌の Leaders にはゴミに関する衝撃的な記事が載っています。 www.economist.com 曰く、2016年の1年間で20億トンのゴミが捨てられているそうで、これは平均すると人間一人当たり毎日740gのゴミを捨てていることになるそうです。肉…

アメリカの対中国関税はある程度続きそうだ

The Economist 誌の9月22日号の Leaders に、米中貿易関係の記事が載っています。 www.economist.com 曰く、米国の新しい対中関税はアメリカの加熱する経済を沈静化させることにはならなそうだ、と。 中国の重商主義(中国政府が国営企業に補助金を与えて不…

次のジャック・マーは現れないだろう

The Economist 誌の9月15日号に Alibaba 会長職を退任することを発表したジャック・マーに関する記事が載っています。 https://www.economist.com/leaders/2018/09/15/china-will-struggle-to-produce-another-jack-ma 曰く、中国経済の構造的変化(ジャック…

あなたも金融危機から学び終えていないのでは

The Economist 誌の9月6日号に、リーマンショックから10年ということで「金融危機から学び終えていない」という警鐘を鳴らす記事が載っています。 https://www.economist.com/leaders/2018/09/06/the-world-has-not-learned-the-lessons-of-the-financial-cr…

なぜスタートアップ企業はシリコンバレーから離れているのか?

The Economist 誌9月1日号にシリコンバレーに関する興味深い記事が載っています。 www.economist.com 曰く、シリコンバレーで変化が起こっていることが数字にも出ている、と。昨年実施されたある調査では、向こう数年で転出を考えている人が2016年の34%から4…

渋滞への正しい対応策

The Economist 誌の8月25日号に渋滞に関する記事が載っています。8月10日号でも書かれていたテーマですが、今週号では Leaders で取り上げられています。 www.economist.com 曰く、Uber/Lyft などのライドシェアサービスへの規制( NY で採択された1年間の新…

オンラインアパレルショップの未来

The Economist 誌の8月18日号にスタートトゥデイに関する記事が載っています。 www.economist.com 服のオンライン販売では試着が出来ないことが大きな課題であり、イギリスの大手 ASOS は「複数サイズを注文可として不要分を返却してもらう」というコストの…

渋滞を回避するために・・・

The Economist 誌の8月10日号に NY での交通渋滞の取り組み(=渋滞を緩和するために Uber や Lyft などのライドシェアに規制する取り組み)に関する否定的な記事が出ています。 www.economist.com 曰く、車両数がより拡大しているのは Manhattan 以外の行政…

人類は地球温暖化との闘いに負けつつある?

The Economist 誌の8月4日号の Leaders に地球温暖化に関する皮肉記事が出ています。 www.economist.com 曰く、地球温暖化対策として講じられている脱炭素化は、(1) エネルギー需要の激増による化石燃料発電の増加 (2) 経済・政治的な現状維持傾向 (3) 発電分…

はじめに

■自己紹介とブログ開設の理由 簡単な自己紹介からはじめます。 Nateです。僕は今年父親になった生まれも育ちも日本のミレニアル世代で、2017年末から海外企業に転職し、オーストラリアに住んでいました。(が、コロナ禍と家族の事情で2021年に帰国しました。…